型に合った生地量の求め方
みなさん、こんにちは☆
大阪の茨木・南茨木
パン教室『choco cafe*』の 松本美智代です。
パンを作る時の生地量って考えたことありますか?
特に食パンなど型を使用して作る時は
とっても重要になってきます。
4月からスタートしたコースレッスンも丸5か月が経ち、
8月は基礎コース最後のメニューである
食パンレッスンが続いておりましたので
型の大きさにあった適正な生地量の計算の仕方なども
レッスンでお話させて頂いております。
レッスンでは1斤型で食パンを作って頂きますので
お渡しするレシピは、もちろん1斤型用の分量です。
でも、生徒さまの中には型を持っていらっしゃらない方もおられますし
持っていてもメーカーによって微妙にサイズがちが違ったりするんですよね。
当然、型の大きさが違うとパン生地の量も変わってきますので、
型に合った生地量の計算方法をご紹介したいと思います。
まず、計算するにあたって
・ベーカーズパーセント
・型の容積量
・型比容積
が必要になってきます。
目次
ベーカーズパーセントについて
ベーカーズパーセントとは
材料の分量を示すとき、粉の量を100%とし、
その他の材料を粉の量に対する割合のことです。
例)
強力粉 | ・・・ | 100% | 200g | ||
砂糖 | ・・・ | 5% | 10g | 200×5%=10g | |
塩 | ・・・ | 1.5% | 3g | 200×1.5%=3g | |
イースト | ・・・ | 1% | 2g | 200×1%=2g | |
水 | ・・・ | 70% | 140g | 200×70%=140g |
型の容積について
適正な生地量を求めるには、型の容積量(体積)が必要になってきます。
型の容積の求め方
勾配ありの場合
(A+a)÷2×(B+b)÷2×H=型の容積
勾配なしの場合
A×B×H=型の容積になります。
例)私の持っている1斤型は
(9.5+9)÷2×(21.5+20.5)÷2×9=1748
この型の容積は、
約1750ccと言うことがわかりました。
この他に、型スレスレまで水を入れ、
重さを計る方法もあります。
(型の重さは引いて下さいね)
型比容積について
まず、生地量を計算する時に必要になってくるのが
『型比容積』になります。
型比容積とは、
型に対してどのくらいの生地を
使用するかを表した値です。
こちらは一般的に、
角食パンでは、3.8~4.0
山食パンでは、3.5~3.7位が
目安とされているようです。
この値が大きければ、生地量は少なく、
小さければ生地量は多くなります。
それでは、山食パンのレシピを例に
型比容積値を計算していきましょう。
型比容積の求め方
例)
強力粉… 300g
砂糖 … 15g
塩… 4.5g
イースト… 4.5g
水… 204g
無塩バター…15g
——————-
合計 543g
型の容積÷生地量(レシピの材料の合計量)=型比容積
上記例の山食パンのレシピでは、
材料の合計は543gだったので
1斤型 1750cc÷543g=約3.2
生地の総重量543gを1750ccの型で焼いた
山食パンの型比容積値は
3.2
と言うことが分かりました。
では、ここから型に合わせた生地量を計算していきますよ。
型に合わせた生地量の求め方
今回は100均で売っている、パウンド型で作る場合の
適正な生地量をも求めていきたいと思います。
(8+7)÷2×(17+16)÷2×6=742.5
この型の容積は、
約743ccということがわかりました。
ではいよいよ生地量を求めていきすよ。
・上記で求めたパウンド型の容積は743cc
・例の山食パンでの型比容積は3.2
型の容積÷型比容積=生地量
742cc÷3.2=約232g
ここで、1斤型のレシピをパウンド型で焼く場合の
生地の総重量が232g必要と言うことがわかりました。
でも232gの生地といっても、
いったい強力粉を何グラムで仕込めばいいか
わかりませんよね。
そこで、
仕込みの粉量を計算していきましょう。
粉量の求め方
生地量÷ベーカーズ%の合計=粉量
例)
強力粉… 300g 100%
砂糖 … 15g 5%
塩… 4.5g 1.5%
イースト… 4.5g 1.5%
水… 204g 68%
無塩バター…15g 5%
——————————
合計 543g 181%
パーセントを合計すると、
181%になります。
パウンド型で必要な生地量は
232gなので、
生地量232g÷181%=粉量約128g
強力粉の量が128gと言うことがわかりました。
あと強力粉以外の分量は
128gに各%を掛ければ、求めることができます。
強力粉… 128g 100%
砂糖 … 6.4g 5%
塩… 1.9g 1.5%
イースト… 1.9g 1.5%
水… 87g 68%
無塩バター…6.4g 5%
——————————
合計 231.6g 181%
パウンド型で焼いたミニ食パンです。
いかがでしたか?
少し、計測や計算が必要になりますが、
覚えておくと、便利ですよ。
まとめ
・お手持ちの型の容積を計算する。
・型比容積を計算する。
・型に合わせた生地量を計算する。
・仕込みの粉量を計算する。
・粉量100%に対して各副材料の量を計算する。
型の形や大きさによって、
仕込む生地量が変わってきますが
これらの計算ができれば、
様々な型に合わせて、
好みのボリュームや
食感のパンを焼くことができます。
新たに型を買い足さなくでも、
お手持ちの型で大丈夫!
ぜひ活用してみて下さいね。